* Zoomを用いたオンラインセミナー *
2023年9月5日(火) 13:00〜16:00 開催
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〜我が国が活力を取り戻すための切り札〜
「H3ロケットや三菱スペースジェットの失敗を繰り返さないための、零戦に学ぶ性能発注方式〜我が国が活力を取り戻すための切り札」と題するオンラインセミナーを、(株)新技術開発センターの主催により、2023年9月5日(火)の13:00〜16:00に開催致します。
製造請負や工事の発注方式は2つに大別されます。つまり、詳細な設計図書を用意し「この通りに作ってくれ」と要求する、我が国独自のガラパゴス的な仕様発注方式と、実現しようとする具体的な目標や要件を示し「このような機能・性能を備えたものを作ってくれ」と要求する、グローバルスタンダードな性能発注方式の2つです。
我が国でも戦前には、見習うべき理想的な性能発注方式で大成功した零戦開発の事例(発注者は旧日本海軍で受注者は三菱重工業)があります。この時の大成功の要諦は、発注側での「ニーズとシーズのベストマッチング」と、受注側での「トップダウンによる全体最適化」でした。
ところが、戦後の我が国では、今日に至るまであらゆる分野で仕様発注方式一辺倒であったため、製造業の分野でも仕様発注方式の取組み方(つまり、ボトムアップによる部分最適化を図る取組み方)しかできなくなっています。このような仕様発注方式の取組み方が災いした結果として、三菱重工業が1兆円を投じて開発した旅客機三菱スペースジェット(MSJ、旧名はMRJ)は、商用運航に欠かせない型式証明を取得できる目処が立たずに失敗し、JAXAが三菱重工業と共同開発したH3ロケットも打ち上げに失敗してしまいました。三菱重工業は、戦前に性能発注方式の取組み方(つまり、トップダウンにより全体最適化を図る取組み方)で大成功した零戦の開発経験を全く見失ってしまったようです。
公共工事の分野でも、性能発注方式による成功事例は「新国立競技場」の他には見当たらないところですが、製造業の分野では、性能発注方式による成功事例は何一つとして見当たりません。ここで、特に危惧されることは、これからはハードウェアがコモディティ化してソフトウェアが機能・性能を大きく左右するようになっていくことです。ハードウェアは、仕様発注方式の取組み方で出来ますが、ソフトウェアは、性能発注方式の取組み方でなければ対処できません。この点についての無理解が、これからの我が国の足を引っ張り続けること必定です。
それゆえ、性能発注方式で大成功を収めた零戦の開発プロセスに学び直して、欧米諸国では常識となっている性能発注方式の真髄(つまり、発注側での「ニーズとシーズのベストマッチング」と受注側での「トップダウンによる全体最適化」)を理解して活かしていくことこそ、我が国が活力を取り戻していく切り札となるのです。
1 発注方式とは?
(1) 仕様発注方式と性能発注方式に大別
(2) 仕様発注方式とは、設計結果に基づき製造施工を発注する方式
(3) 性能発注方式とは、設計と製造施工を一括して発注する方式
2 零戦に学ぶ性能発注方式の真髄
(1) 20世紀の世界地図を塗り替えた零戦は、見事な性能発注方式の賜物
(2) 零戦が成功した秘訣
a. 発注側での「ニーズとシーズのベストマッチング」
b. 受注側での「トップダウンによる全体最適化」
(3) 後継機「烈風」の開発計画は、受注者の設計に発注者が口出しして破綻
3 戦後の日本人のDNAに組み込まれてしまった仕様発注方式
(1) 我が国では戦後、性能発注方式が廃れて仕様発注方式一辺倒になった経緯
a. 戦前は「官庁直営方式」
b. 戦後に確立した仕様発注方式
c. 今日の仕様発注方式の問題点
(2) 仕様発注方式の特徴とデメリット
(3) 性能発注方式の特徴とメリット
4 仕様発注方式が我が国にもたらしている弊害と、性能発注方式による解決
(1) X線天文衛星「ひとみ」が失敗した元凶は、ソフトウェアに対応できない仕様発注方式
a. 国際協力ミッションだったX線天文衛星「ひとみ」の喪失
b. ソフトウェアを審査できない設計審査会
(2) H3ロケット打ち上げ失敗の元凶も、ソフトウェアに対応できない仕様発注方式
a. 2月17日は第1段補助エンジンに点火失敗、3月7日は第2段エンジンに点火失敗
b. ソフトウェアを審査できない設計審査会
(3) 三菱スペースジェットの開発失敗〜今日の型式証明取得には性能発注方式の取組み方が必須
a. 初飛行後、7年経っても型式証明取得の目処が立たなかった三菱スペースジェット
b. 半世紀以上前のYS-11の頃とは違い、今日の型式証明取得には性能発注方式の取組み方が必須
(4) 東京外環道大深度地下トンネル工事で調布市内陥没事故が発生
a. 「情報化施工」の欠落が招いた調布市内陥没事故
b. 仕様発注方式では、現場状況の変化に即応できる「情報化施工」が使えない。
(5) DXに伴う基幹系システム更新失敗〜その責任を巡って裁判沙汰となった事例が続出
a. 仕様発注方式の取組み方が招いた基幹系システムの開発失敗と裁判沙汰
b. 米国のエンタープライズアーキテクトの取組み方は性能発注方式の取組み方と同じ
(6) 新国立競技場整備事業〜仕様発注方式による失敗・破綻を性能発注方式により復活・成功
a. 仕様発注方式のデメリットが露呈したことによる事業の破綻
b. 事業の成功により性能発注方式のメリットが歴然
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