**   大失敗に学ぶ「発注者のエンジニアリング」

  〜 新国立競技場建設計画の白紙撤回とその後   **

 国際デザインコンクールで選定した斬新なデザインの新国立競技場を建設するプロジェクトは、2年余りの紆余曲折の末に、平成27年7月に計画全体が白紙撤回され破綻しました。

 直接的な原因は、スペックと工事費と工期(互いにトレードオフの関係にあります)について、全体最適化に失敗したことです。設計・施工分離発注方式が、つまり、“仕様発注”が、この全体最適化をより難しくしました。また、トップダウンのリーダシップが不在であれば、プロジェクトは、部分最適化の積み上げに陥らざるを得なくなります。

 このことは、白紙撤回後、速やかに作成した「要求水準書」に基づく、設計・施工一括発注方式による、つまり、“性能発注”による、新たな建設計画が、特段の滞りもなく遂行されたことからも明らかです。

 そこで、白紙撤回された建設計画とその後の建設計画を分析することにより、大規模プロジェクトの全体最適化には、「要求水準書」に基づく“性能発注”が効果的であることをわかりやすく解説しました。