**  「空飛ぶクルマ」の実用化に向けた **

**    技術開発等の現状と今後の展望    **

2023年3月11日、文部科学省認可技術士協同組合の定例研究会合が開催され、私は講師として下記内容の講演を行いました。
 

【講演のタイトル】

「空飛ぶクルマ」の実用化に向けた技術開発等の現状と今後の展望

 

【講演の概要】

「空飛ぶクルマ」とは、ありふれた自動車のごとくに、誰でも手軽に利用できる「空を飛べる身近な乗り物」を意味しています。我が国では、2025年に開催される大阪・関西万博での商用運航を目指して、世界的にも他に類を見ない「国を挙げての取り組み」をしています。つまり、「空の移動革命に向けた官民協議会」を2018年に立ち上げて、昨年の3月には「空の移動革命に向けたロードマップ」の最新版を発表しているのです。我が国のこのような「国を挙げての取り組み」は、世界中の「空飛ぶクルマ」の関係者に注目されていますが、その中身は、「空飛ぶクルマ」自体の技術開発のロードマップの他、「空飛ぶクルマ」の日常的な運航に欠かせない事項、例えば、「空飛ぶクルマ」の離着陸場の整備、航空管制システムの整備、運航事業の制度整備のロードマップなど、多岐に渡っています。その中でも、実用化に向けた鍵を握るのは、何と言っても「空飛ぶクルマ」の技術開発です。

「空飛ぶクルマ」を開発する上で、「空飛ぶクルマ」を特徴付けるのは、電動であること、将来的には自律飛行できること、垂直離着陸できること、の三点です。この三点から直ぐにイメージできるのは、ドローンを大型化して人が搭乗できるようにした「マルチコプター型」ですが、これまでに実現できたのは搭乗者が2名程度、航続距離が数十km程度、最高速度が100km/h程度の「空飛ぶクルマ」です。そこで、米軍の垂直離着陸輸送機「オスプレイ」を電動化して小型化したような「推力偏向型」や、離着陸用ローターと推進用ローターを別々に設ける「リフト・クルーズ型」が開発され、搭乗者は4〜7名程度、航続距離は100〜200km程度、最高速度は200〜300km/h程度の「空飛ぶクルマ」が実現して試験飛行しています。

そこで、講演では、「空飛ぶクルマ」の技術開発の現状を中心として、その実用化(商用運航)に欠かせない離着陸場の整備などを含めた今後の展望についても説明しました。

 

【講演の目次】

 1  空飛ぶクルマとは?【概説】 
 2 空飛ぶクルマの特徴と従来型のヘリコプターとの違い 
 3 空飛ぶクルマの三形態 
 4 マルチコプター型の空飛ぶクルマ 
 5  推力偏向型の空飛ぶクルマ
 6 リフト・クルーズ型の空飛ぶクルマ 
 7 空飛ぶクルマの商用運航に欠かせない「型式証明」と「耐空証明」 
 8 空飛ぶクルマの商用運航に向けた我が国の動向 
 9 空飛ぶクルマの商用運航に向けたインフラ整備 
   10 空飛ぶクルマに欠かせなくなる安全対策技術

 

  

講演資料は、下記のクリックでご覧頂けます。