【講演の要旨】
DXに欠かせないシステム開発委託に向けて、グローバルスタンダードである性能発注方式の取組み方(つまり、このようなものを作ってくれといった、トップダウンによる全体最適化を求める取組み方であり、システム開発には最適です。)が、我が国では殆どできません。他国に類を見ない我が国独自のガラパゴスである仕様発注方式の取組み方(つまり、発注者が指示したとおりに作ってくれといった、ボトムアップによる部分最適化を求める取組み方であり、システム開発には全く適しません。)が、官民のあらゆる分野で我が国の無意識レベルの常識と化しているからです。
このことが災いして、我が国では、大企業の基幹系システム開発委託の失敗・頓挫が頻発し、その責任を巡って裁判沙汰となった事例が続出しています。システム開発委託でこのようなトラブルを惹き起こしていたのでは、企業体質を変革・強化するDXの推進・実現など、叶うはずもありません。性能発注方式の取組み方でシステム開発委託してDXを推進する欧米諸国では、到底考えられない異常事態です。企業体質の優劣は、延いては国力の優劣に繋がります。それゆえ、一刻も早く、性能発注方式の取組み方を我が国の常識とする必要があります。
ところが、戦後の我が国では、見習うべき性能発注方式の成功事例が殆ど見当たりません。土木・建築工事や各種製造請負などのあらゆる分野で、戦後の我が国は今日に至るまで仕様発注方式一辺倒だったからです。しかし、我が国でも戦前には、見習うべき理想的な性能発注方式による見事な成功事例があります。零戦です。そこで、性能発注方式で大成功を収めた零戦に学んで、理想的な性能発注方式の具体的かつ効果的な取組み方や考え方を理解し、システム開発委託に活かしていくことが肝要です。
【講演の目次内容】
1 大企業の基幹系システムの開発失敗が頻発
〜我が国独自の仕様発注方式による取組み方に原因
2 システム開発委託に欠かせない基礎知識
3 旭川医科大学ーNTT東日本裁判からの教訓
4 野村証券ー日本IBM裁判からの教訓
5 零戦に学ぶ性能発注方式の真髄
6 システム開発委託を成功させる性能発注方式による取組み方
7 ディープラーニングをDXに取り入れるには性能発注方式の取組み方が必要不可欠
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